捨てるところがないサメの力

落札されたサメは、それぞれの水産加工業者の手に渡っていきます。例えばフカヒレ。伝統的な「天日干し」で昔ながらの製法を用い、約3ヵ月乾燥させて出荷される高級フカヒレは気仙沼の代名詞に。

そのほか、生のまま加工して機械乾燥・出荷されるフカヒレもあります。市場から、尾びれ、背びれなど、すべてのヒレが加工場に運び込まれ、まずは湯漬けしてキレイに皮をむきます。皮をむいた後は、すべて手作業により、ひとつひとつていねいに軟骨を除去し、機械式の乾燥機に入れて乾燥させます。一度乾燥させることで、不純物を除いて水分を含みやすくするとともに、フカヒレの形を整えることにつながります。蒸気で蒸して給水してカタチを戻す、という作業を繰り返し、一般的に食べられているフカヒレが完成。除去された軟骨には、コンドロイチンやコラーゲンがたっぷり含まれているので、サプリを始めとした、その他の有効活用が行われています。

フカヒレを取った後のサメ肉は、3枚におろされてすり身に。最近では、すり身以外でも新鮮なサメ肉をそのまま調理して使う試みも増えてきました。また、サメ肉からはいだ革はサメ革製品に加工されるなど、サメは捨てる所がない魅力的な魚種です。

じっくり乾燥させることで、アミノ酸が増え旨みも増してきます。また気仙沼で冬場に吹く乾燥した山 風「室根おろし」は天日干しに適しており、品質をより高めてくれます。

ヒレから取り除かれた軟骨にも有用な栄養素がたっぷりあります。

ひとつひとつ手作業で、ていねいに処理されていきます。     

蒸気で蒸して水分を含ませ、フカヒレの形に整えて出荷します。

軟骨を取り除いたら、サメの部位にあった温度で乾燥をかけます。

サメ革は水に強く、使えば使うほど表面にアジが出てきます。(※試作品となります)

仕入れたサメ肉は 3 枚におろして、すり身の機械にかけます。